純粋な住民運動を展開するための心得
反対の立ち位置でも大きく二種類があります。
「風力発電に反対だ」というものと、「風力発電には賛成だがこの計画には反対だ」というものです。
この部分のズレから、反対住民同士の間でも気持ちにいき違いが生じる場合があるので注意が必要です。
反対の理由の中に「再エネ自体を否定することになる」文言が入ることに抵抗を示す人もでてくるのです。
ここでしっかりとすり合わせておかなければいけないポイントがあります。
再エネ否定派としては、「今再エネと呼ばれている風力発電や太陽光発電が再エネと呼ばれることが誠に遺憾であり、ほんとに再生していて持続可能ならば何も言うことがないが、山の生命線である尾根を切り開き、レアアースで産出国の環境を破壊し、ブレードは埋立地に向かう事実を隠しているものを再エネと呼ぶならば許せない!」という主張があります。
再エネ肯定派としては、「自然破壊をするようなものはダメだが、再生可能で持続可能な再生可能エネルギーの概念を否定することは許せない!」という主張です。
同じことを言っているのですが、結局「再エネ」という言葉に包括された意味付け、解釈の違いが生じているだけですね。
前者は現時点での再エネの姿を言い、後者は再エネのヴィジョンを言っているのでしょう。
この場合、一方的に間違っていると指摘するのではなく、解釈の違いの理解し、その人の思いを丁寧に聴きながらコミュニケーションをとることが必要です。
またもう一つ注意が必要なことが、「プロパガンダ」という誘導戦略にまきこまれないようにすることです。
反対活動をしているうちに、いつの間にか原発推進や政治活動のエネルギー源にされてしまうこともあるのです。
例えば、風力発電メリットデメリットについての話し合いの中で、「原子力発電は安全だって理工学やってる人はみんな知ってます。あの東日本大震災の時だって、予備電源を1階から2階に移しよおくように提言されていたけれど、民主党政権がそれをしなかったからあのような事故になった」というような発言をされたような方もありました。
ここには二つの誘導戦略がありました。
再エネがダメなら原発にという方程式にもっていきたい。
民主党だったからダメで自民党だったら大丈夫だったというところに持っていきたい。
もちろん逆も然りです。
原発はダメだから再エネをごり押したい。
自民党政治を許さないというところにもっていきたい。
そんな誘導が見えることもありました。
しっかりとそれを見極めないと、いつの間にか住民運動が想定外の方向に向かうこともなきにしもあらずです。
そのプロパガンダに巻き込まれることなく、いかにして純粋な住民の活動で突き進めるいうことがカギになるはずです。
反対派の集団とて一枚岩ではなく、それぞれに細かな意見の違いや温度差があるということを理解しておくことです。
その上で、その違いを認め合い、一つの大切な理念と、明確な目標を設置することが必要となってくるはずです。
ジブリ「コクリコ坂から」の一場面。
生徒たちの建物の保存を求める運動の熱意に、理事長の心は動かされました。
反対運動というより、自然環境の保存を求める運動という方が、熱意が伝わりそうです。
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