「荒れた山林を放置したままでどうするの」という風発から投げかけられた問いに対する我々からの回答は、全員参加型森林再生プロジェクト・皮むき間伐「きらめ樹」!

「荒れた山林放置は自然破壊だ。」

「山林に対しての住民の無関心さに対して事業者の方がよっぽど良い関心を持っている。」

そのようにおっしゃった方がありました。


 確かにその通りだとも思いました。

手入れすることもせず、もてあまし、まったくの無関心となってしまった山林が日本全国にあります。


 日本の面積の7割が森林であり、そのうちの4割が人工林です。

 戦後の経済政策により、スギ、ヒノキの植林が奨励されたため現在50歳から60歳の年齢の森林が多く、そのほとんどが手入れされないままに放置されています。

 コストの安い外材の輸入制限が緩和され、採算の取れない日本の人工林の多くが取り残されることとなりました。


 手入れをしない人工林は、自然豊かなようにみえて森は弱っています。

 樹はびっしりと立ち並んでいて、先端にだけ葉がついていて、森の中は光が入らず暗く空洞化し、地面には草も生えていません。

 もちろん、動物たちの食べ物もありません。


 また、やせた大地は保水する力も弱いのです。

それに加え、天然の樹は真っ直ぐに主根を伸ばして枝根を張っていきますが、人工の針葉樹の特徴は主根がなく、浅く水平に張ってしまい、上の重さを支え切ることが難しくなります。

 よって、近年頻発している大型台風や豪雨などにより土砂災害が起きやすいのだとも言われています。


 さらに、もはや成長する余地もなくなった人工林は、二酸化炭素の吸収も少なくなるということだそうです。


 いつかお金に変わるだろうと先人たちが残した杉や桧が、「手間暇かけたってどうせお金になりはしない」といつしか手をかけなくなり、今ではその存在さえ忘れられようとしています。


 このたび計画された風力発電は、「荒れた山林を放置したままでどうするの」という問いを投げかけられたような気がします。


 風力発電施設ができることにより、荒れたままの人工林が伐採できますよ。

伐採した分はちゃんと植林しますから大丈夫ですよ。

二酸化炭素吸収も若い杉や桧の方がいいんですよ。

山の中まで入れる道路もつくので、その後の手入れもしやすいですよ。


 我々は村を挟み込むような自然災害面、健康面など様々なことで巨大風力発電反対をしているわけですが、なるほど、もっともだと思う部分もあります。


 我々は反対グループじゃない、自然を守ることに賛成のグループだよね。

そんな山林に対して、いったいどうしたいの?


 そんな時に、森が蘇るという素敵な活動に、友人を通じて出会いました。

「きらめ樹」という誰でもできる「皮むき間伐」です。


 太い木を残し、細い木々を皮を剥いて、乾燥するまで置いておきます。

皮むきは子供も大人も一緒にできます。

乾燥したら伐採するのですが、木材は軽くて女性でも運べます。


このようにみんなが参加できる、「全員参加型森林再生プロジェクト」が「きらめ樹」なのです。


 間伐後、森には光が入り始め、大地に草が生えてきます。

 そこに落ちていた種たちが光があることにより芽吹き、雑木が育ち、4、5年先には真っ黒な土がむき出しになっていた何もない大地が、緑の宝庫になるというのです。

 そこに小さな川ができたという報告もあったそうです。

保水力もあがり、災害に強い山へもなっていきます。


 この運命的な出会いによって、我々は微力ではありますが、近隣の山々の「きらめ樹」を始めました。

 なにより、皆が自分たちの地元の山に、自らが関わっているという意識になれたことが喜びでした。


 平成30年より、定期的に山に入り、木々や大地と会話しています。

若い仲間たちと共に。


 未来の子供たちに残す、大切なものがここにあると知れました。

ありがとうございます。


 というわけで、これが「荒れた山林を放置したままでどうするの」という風力発電から間接的に投げかけられた問いに対する、我々からの回答と致します。


 グローバルに駆逐されるものは大きいので、やっぱり私たちにお任せ下さい。

 道路も6メーターもコンクリート舗装せずとも、歩くだけの踏みしめた道さえあれば大丈夫です。

 間伐した木々も、ちゃんと自分たちで消費していきます。


 その他の風力発電反対グループの皆様へも、一つの回答として参考にしていただければ幸いです。

 きらめ樹は、少しづつ全国に広まってきています。




きらめ樹という手法を広める法人の本部は静岡県富士宮市にあります。

【森の蘇りのホームページ】

https://mori-no-yomigaeri.jimdo.com/



【きらめ樹を詳しく知りたい方はこちらの記事を合わせてお読みください】


◎ 『第一回きらめ樹☆お話会と選木体験会』大成功!~私たちの想い描く森の500年後~

https://ameblo.jp/anzac76/entry-12422213989.html


◎ 『第二回きらめ樹お話会と間伐体験会』~この子のいのちを塔婆にして生かしたい~

https://ameblo.jp/anzac76/entry-12466029695.html


◎第三回きらめ樹☆』~選木に皮むきにお昼ごはん。山の中で過ごした一日~

https://ameblo.jp/anzac76/entry-12490559974.html


◎『第四回きらめ樹☆』~アマゾンの森林火災に対して今僕たちにできること~

https://ameblo.jp/anzac76/entry-12520864071.html


◎『第五回きらめ樹☆』~きらめ樹した間伐材のお塔婆を使おう~

https://ameblo.jp/anzac76/entry-12609644676.html


「風力発電問題」~真実はどこにある?

風力発電への期待は大きく、希望に溢れて見えます。 脱原発、さらには地球温暖化防止への脱炭素(脱火発)を正当理由に掲げ、その動きは加速しています。 地球に優しいクリーンなイメージも固定化しています。 しかし、風力発電の現実は、そうとも言い切れない部分があります。 なぜこれほど多くの反対が起きているのでしょう。 風力発電を悪にはしたくないですが、問題から目をそむけていてはならないはずです。

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